特別養子縁組は、社会的養育における子どもの最善の利益のための最も有効な手段の一つです。その支援には、生みの母・養子・養親の三当事者だけでなく、地域コミュニティや社会全体の啓発と支援者の育成が大切だと考えています。社会の中でマイノリティになりがちな養子縁組家族にとっては、支援機関だけでなく子どもの成長を見守りながら長期的に寄り添ってくれる地域や縁組家族同士の支援ネットワークがあると心強いことでしょう。

また、マイノリティであるために、養子縁組家族の声はまだまだ届きにくいのが現状です。私たちは、制度等の改善提言も含めて、特別養子縁組のご家族が社会の中で快適に暮らしていくお手伝いができることを願っています。

エレパニの目標は、ロゴのステートメントにも標榜している「みんな・つながる・プロジェクト」です。行政も民間も、親も研究者も、福祉支援者も医療関係者も、だれもが同等につながって、特別養子縁組にまつわる社会の課題に広く、一緒に目を向け、課題の解決に向かう一助となれることを志しています。

※私たちは、山口県周南市の産婦人科病院である田中病院の特別養子縁組あっせん事業を基軸に、2020年に「エレパニ山口」として活動を開始しました。「エレパニ山口」は、勉強会の参加者が山口県以外にも大きく広がっていったことを受け、2023年７月より名称を「エレパニ」に変更しました。

[これまでのプロジェクト]

●2024年10月：「行政手続きガイドブック」を制作し、民間あっせん団体へ送付。 その後、地方自治体にも更に特別養子縁組へ意識を向けてもらえるよう、同ガイドブックを都道府県と政令指定都市の主管課へ送付。

●2023年４月：「子どものための生母や生み親家族の医療情報取得」と「養親のためのはじめての医療機関受診サポート」のツールを開発。ホームページから誰でも無料でダウンロードできるようにした。

●2020年７月～：　月１回 無料ZOOM勉強会を実施。テーマ・講師リストは当ホームページ内の「ZOOM勉強会」のページをご参照ください。

[運営メンバー]

代表　萬屋育子（NPO法人CAPNA 常任理事、NPO法人Babyぽけっと顧問、ATTI Japan アドバイザー、元愛知県児童相談所長、「赤ちゃん縁組で虐待死をなくす」共著者）

田中泰雅（田中病院院長・産婦人科医、特別養子縁組あっせん事業 責任者）

五十嵐哲朗（元山形県福祉相談センター所長、臨床心理士、公認心理師）

榊原明美（ATTI Japan 代表理事、臨床心理士、公認心理師、保育士）

石川桂子（ATTI Japan 理事、精神保健福祉士、「養子縁組を考えたら読む本」翻訳者）